エロゲーにはかならずそういうシーンがあることになっている。だからプレイヤーはそれがいつか到来することを知っている。なのでプレイ中はいつ来るかとドキドキしている。実際に来たならばもうなんでもない。お化け屋敷で怖いのはいつお化けが出てくるかわ…

時間と空間の基礎

ネットだと地理的な距離はほとんどの場合無視できる。なら残る差異は時間になるが、その時間は距離と結びついていないから、伸びるのは少しずつ伸びるけど、縮まるときは一瞬でゼロになる。ならそれは長さのない距離と捉えるべきであって、時間は内部にのみ…

非言語的ディアレクティーク

いわゆる肛門ディアレクティークと一般的ディアレクティークは見かけがそんなに変わらない問題。だから経験したことのない人間には違いがよくわからない。口腔ディアレクティークとかなら固着したリビドーがあるので経験を抜きにしてわかるんだけど。つまり…

一応萌え4コマの話か

http://twitter.com/gottos/status/4835500903 http://twitter.com/gottos/status/4835599700 あたりを読んで触発されたんですが、(勝手に持ち出してごめんなさいごっとさん) 僕が http://d.hatena.ne.jp/ilidim/20090331/1238429916 とか http://d.hatena…

ライトノベルライトノベルを手がかりに、すこし考えてみました

このエントリはちょっと調子を変えて書きます。一応毎回スタイルは考えているつもりなんですが。 なんか最近感じたこととして、僕が一部の人たちとコンテンツについてしている話は最悪なんじゃないかと。悪いというのはどんづまりに向かっていて、未来がない…

論理的であること

数学や論理学はどんなにその体系が堅牢に見えようとも論理的ではない。論理的とは始まりが終わりと等しいことだ。その世界ではあらゆる人がすべてを理解する。本格探偵小説は論理的であることをその至上命題とし、正答率100%を理想とする。決して簡単なので…

まあtwitterとかはどうでもいいんだけど

いま一番萌えるのはtwitterであると断言しよう。 かつては萌えるにはストーリーによってキャラを了解可能にする必要があったが、もはやそれは前提となっているのでストーリーは不要である。というか邪魔ですらある。ストーリーの要請はいちゃいちゃと衝突す…

闘争のための指針のひとつ

「けいおん!」に対して、「こいつら全然音楽の練習してないじゃないか」などと言いたがる「良識派」はいったい何を守ろうとしているのだろう? 彼らは近代的労働イデオロギーに従っているのだろうが、彼らがそうするのに利点などない。ひたすら働いても幸せ…

コンテンツ産業論

タイトルの「コンテンツ」というのは色々あるが、マンガ、アニメ、ゲーム、ライトノベルなどのいわゆるオタクカルチャーがかなり中心的に扱われている。で、この本は東京大学出版会が出したものである。つまり最高学府の東大がオタクを学問として扱おうとい…

恋愛メモ

現代の恋愛ものは恋愛は不可能だという認識を前提としている。 恋愛はあらゆる状況を超えて運命的なものなので恋愛に正しい論理的過程は存在しない。だから恋愛を描くことに説得力は根本的に存在しない。おそらく現代では恋愛の対象化が進んでいるため本質が…

条件付運命論

前回のエントリと関連する話。実に誰得ですがこういうことを考えるのは嫌いじゃないのです。理想的コミュニケーション空間というのは皆仲がいいのですね。 「けいおん!」みたいな。しかしアニメ「けいおん!」の人気カプとか見ると世の中堕ちた運命論者ばか…

ねこにゆーり

人間が苦手で猫が大好きな少女ゆーりと、彼女の幼なじみのセラ、同じく幼なじみでゆーりに恋する少年あっちゃん、あっちゃんに恋する少女あさひら、ねことゆーりを取り巻く人々を描いた4コママンガである。 帯に「ネコがスキなキミがスキ」とある。ゆーりに…

『ヴァンパイアノイズム』についてのメモ。

ちゃんと書こうとして失敗したので、断片的。十文字青はあとがきでこの小説を「十代、二十代の方々に届けたくて書いた物語」だと語っている。現代もので、ファンタジー要素がなく、高校生を主人公にして、思春期の悩みをテーマとしたこの小説は作者の代表作…

古野まほろと読者とネタ

『天帝のはしたなき果実』の中にはさまざまなネタが含まれています。たとえばミステリ、サブカルチャー、吹奏楽、オペラ、外国語など。読者は吹奏楽をやった経験があれば吹奏楽の描写に記憶を掘り起こされ、Zガンダムが好きであればハマーンさまがどうこうい…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない2

今回はかるーいかんじで書きます。※完全にネタバレです。 一作目が好評で続編が作られることになったシリーズものの二作目というのはわりと一作目の正統進化形であることが多いです。自転車創業で買ったちっさな本にもそんなことが書いてあった。で、この作…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

※ネタバレです 伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のなかで中心になるのは主人公の高坂京介と妹の桐乃の関係である。二人の関係は(おそらく現代日本の一般的な高校生と中学生の兄妹関係がそうであるように)あまりよくはない。それどころかむ…

翻訳学入門

翻訳学入門作者: ジェレミー・マンデイ,鳥飼玖美子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2009/05/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (11件) を見るタイトルどおり翻訳学 translation studies の入門書で、僕はこの分野について…

ヒーローに、なれません

(当初このエントリは前回のエントリに追加する形で書こうと思いましたがその内容ゆえにスターを下さった方々に申し訳が立たない気がしましたので新規のエントリとして書き起こします) 前回のエントリにきらら5月号が云々と書きましたが、そこで実物を引っ張…

自分語りと見せかけてゆゆ式論

ネット上で大人気のアニメ「けいおん!」に対してのありふれた、そしてある程度的を射た突っ込み。「音楽してないじゃん」 つまり女の子のキャッキャウフフが大事なんだから音楽とかどうでもいいんだよ!という反論? 反論。音楽は本当にどうでもいいのだろうか? け…

批評を書くためのレッスンそのⅠ 誰にでも書ける文章を書こう

文章が書きたいので練習してみます。すごい当たり前の内容な気もしますがとりあえず気にしない。 なにについて書こう。そうだ。ライトノベルについて書こう。今頭の悪い人はライトノベルについて語るものです。翻訳が必要ないから。(もちろん「ライトノベル…

ゆゆ式

超絶人気漫画『ゆゆ式』について とりあえず基本的なところを確認しておきましょうか。言語ゲームについて。人間の会話はルールを持っている。しかしそのルールを正確に捉えることは難しい。たとえばP13のしりとり。「わいえむおー」に続き、「おモチ」、そ…

古野まほろ『天帝のみぎわなる鳳翔』が二月にやっと出るそうなので思いつくままに褒めます。『天帝の愛でたまう孤島』が出て一年以上たつけどいまだにあれほどの小説に出会えてないのでもうずっとまほろのことを考えている。『天帝のはしたなき果実』はもう…

虚構機関

虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)作者: 田中哲弥,大森望,日下三蔵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/12メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 190回この商品を含むブログ (102件) を見るむかし、筒井康隆の編んだ70何年かの「SFベスト集成」とい…

文体模写あるいはカール・ポランニー

大転換―市場社会の形成と崩壊 (1975年)作者: 吉沢英成,カール・ポラニー出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 1975メディア: ?購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見る現在、世界のほとんどの国で市場経済が採用されている。数少ない社…

マンガなり小説なりを見るときに、政治的な表現があると敏感に反応してしまう。作者が明確に自らの思想的立場を定位するようなものではなく、ちょっとした一言に表れる目立たないものにこそ気が引かれる。ああこの作者はこういうところから影響を受けてるの…

久しぶり更新。 柄谷行人が村上春樹について「構造しかない」といっていましたが、普通に考えて春樹が受けてるのは主人公の考え方とか文体じゃないのかな。でもそれは両方とも言っている意味は同じなのではないか。

思ったことを話すのは難しい。人に話すのはさらに難しい。

とらドラ!1 (電撃文庫)作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2006/03/09メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 426回この商品を含むブログ (521件) を見る竜児はみのりんが好きで、大河は北村が好きなんだけどそれはポー…

妹が学校の授業で漱石の『こころ』を読んでいるらしい。高校生のとき聴いた話によると日本中の高校生がある時期に『こころ』を国語の授業で扱うらしい。日本人の多くが「先生と遺書」を読んでいるというのはすごいことなのではないか。「精神的に向上心のな…

文学界12月号

文学界 2008年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/10/07メディア: 雑誌 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る本屋を冷やかしていたら「柄谷行人」の名前につられて文学界を立ち読みしてしまった。対談だけ。「文学なんてもう興…

またしばらく日記かいてなかった。 昨日と一昨日は四国に行っていた。『探偵小説のためのエチュード』の舞台である伊予(作中では実予)とか。松山駅を出るとすぐそこに駅前スタジアムという野球場があるのだがほかにもすぐ近くに坊ちゃんスタジアムがあるの…