ヒロイン・オリエンテッドなエロゲの構築

 みたいな話を考えていたことを思い出したのでメモ。
 答えから言うと、「ヒロイン一人」ならいい。世界にきみしかいなければきみより大事なモノはない。ヒロインがふたり以上いると交換可能になって欠かせないと思えなくなってむしろ不変の主人公が一番大事だということになる。
 トゥルーヒロインの格。最後に位置するだけでは十分でなくて、『DRAGON QUEST Ⅴ』のメインヒロインはゲマなどと言われてしまう。ラスボスが見えてると途中のボスはすべて過程に過ぎなくなるし、見えてないとラスボスがぽっと出になる(田中ロミオの某作品とか某作品)。インフレさせてけばよいが、失敗するとそこからは蛇足になってしまう(『北斗の拳』のメインヒロインは〜)。というのはバトルものの話で、ヒロインはみんな同じようにかわいい(人間がみんなかわいいように)のであって、トゥルーヒロインを引き立たせるためにそれ以外のヒロインはわざとかわいさを抑えました、などと言われたらプレイヤーは暴動を起こすだろう。天はヒロインの上にヒロインを造らず。
 『CLANNAD』(※のネタバレ) の攻略キャラは普通に考えてヒロインでないのが何人もいるが、キャラが総体として「街」を構成しているのだから、各キャラの攻略は目的でもあり街攻略のステップでもあって、その街と結びついた親子がトゥルーヒロインとなる。つまり、ヒロインはただ人間としてはトゥルーヒロインになることができず、一部人間でなくなることでトゥルーヒロインになる。
 『逆転裁判』(のネタバレ→) では誰がヒロインか、いくつかの説が考えられる。目的である依頼人がヒロインだよ説・熱い言葉と気持ちをぶつけ合っている検事がヒロインだよ説・いつも脇にいる助手がヒロインだよ説。さしあたり交換可能なのがヒロインという立場をとると依頼人が答えとなる;2話・3話で敵役として闘いながらつながりを深めていった御剣が最終4話では救うべきヒロインとして現れることで圧倒的なヒロイン力を発揮する。トゥルーヒロインが予め出ていると他のヒロインを喰ってしまう問題を、ライバル→ヒロインとシフトさせることである程度解決している。
 このあとヒロインオリエンテッドなエロゲとしての『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』という話が続く。