時間と空間の基礎

ネットだと地理的な距離はほとんどの場合無視できる。なら残る差異は時間になるが、その時間は距離と結びついていないから、伸びるのは少しずつ伸びるけど、縮まるときは一瞬でゼロになる。ならそれは長さのない距離と捉えるべきであって、時間は内部にのみある。もっと正確にいうと、心と体とか、認知と理解とか、言語と呼吸とかの距離が生み出すズレのことをいう。だから適度な距離をとりたい、とか考えたら偶然に頼るか、自分の中で調整するしかない。逆にぼくらが感じるリズムの欠如は気持ちのどうしようもない遅さに由来する。あらゆることが一瞬で終わればいいのに。現実は違う。
だから一見時間と空間の変換と見えるものは実は長さを持つ距離と持たない距離の変換でしかない。長さを持たない距離は観測者問題であって他人にとってのそれは調整することが出来る。長さを持つ距離を持たない距離に変換することで移動時間を無化できる。それである程度ストレスは軽減される。しかし時間的隔たりがある限り欲望は決して満たされない。