恋愛メモ

現代の恋愛ものは恋愛は不可能だという認識を前提としている。
恋愛はあらゆる状況を超えて運命的なものなので恋愛に正しい論理的過程は存在しない。だから恋愛を描くことに説得力は根本的に存在しない。おそらく現代では恋愛の対象化が進んでいるため本質があらわになってきているのだろう。一つの方法としては仲の良さと恋愛感情をすり替えてしまう手がある。恋人は仲がいい→仲がいいから恋人だという論理的錯誤。仲のよさ、仲良くなる過程はメソッドがあるので書くことが出来る。
この読み替えを作中でやるか読者がやるかで分岐する。読み手にアウトソーシングするなら作中で恋愛関係を書く必要はい。ひたすら仲良くしていればいい。つまり、どうすれば仲良く見えるかという問題になる。この場合は変換処理の困難が存在しないため楽だともいえる。しかし読み手の想像力を必要とする。それに読み手にもよるが平凡な関係に陥りやすい。
作中の登場人物同士が読み替えるなら作中で明確に恋愛関係でなかったものが恋愛関係に昇華することになる。その前に恋愛関係でないにも関わらず仲良くなってなければいけないのは変わらないのでなにかしら仲良くなる理由を設定する。この場合作中で恋愛関係を登場人物自身が自覚してしまうので一人が一人しか好きになれない。多様性が失われるという難点がある。しかし作中でしっかりと関係をかけるので魅力や説得力が増すという長所がある。
ヘテロだと現実の規範に囚われる部分が大きいぶん恋愛に対する抵抗感が強いのだろうがそれは処理すべき問題なので可能性があるだろう。
ホモだと恋愛規範よりも恋愛禁止規範に囚われるので違うアプローチになる。戦う相手も違ってくる。